トニー・レオンとフェイ・ウォンの香港映画『恋する惑星』。
前回の香港旅行から帰ってきて、見たんだけど、ストーリーはなんてことはないんだけど、不思議に後引く魅力が強烈にあって、1990年代の香港の熱気みたいなやつが、心の奥から離れない、とても魅力的な映画だった。
香港に到着した日の夜、LKFへ繰り出したんだけど、LKFへ向かう途中、あれ?これ、あの映画に出てたエスカレーターかな?と思って、わくわくした。
翌朝、戻ってみると、それはやっぱり、あのエスカレーターだった。
ドキドキしながら、登ってみた。
フェイ・ウォンの恋する切ない気持ちと、ひとりで歌っていたシーンを思い出して、ここかぁと思ったけど、
実際、なんてことはないエスカレーターで、観光客の人たちもたくさん登っているし、地元の人たちの日常の足にもなっている様子。
世界で一番長いエスカレーターらしくて、どこまで登ろうか考えていたけど、もうひとつ登ったら、何か発見があるのかなと、ドキドキして、最後まで登らずにはいられなかった。
香港島が、こんな急な斜面に切り開かれた街なんだって、ここまで登って、よく分かった。素敵。
エスカレーターは、オシャレなカフェやバーが立ち並ぶSohoを突き抜けて、更に上へ。
これは、お肉屋さんかな?
この辺りで、街が余りにも絵になりすぎて、私の心は完全にノックアウトされていた。
人々の生活感も、街のごみごみした感じも、小雨ですら、絵になる街。
途中にモスクがあって、
なぜか、ほっとする。
一番上まで登ると、ここでエスカレーターは終わりですと書いてあって、バスで帰るのか、歩いて降りるのかになる。下りは、ところどころしかエスカレーターがなくて、ほぼ階段。私はもう少し、余韻に浸りたくて、階段で降りることに。
今度行ったときに、食事か飲みに来たい旧警察署。リノベーションされたそうで、オシャレなレストランやバーがたくさんあった。
雨が降り続く午後も素敵だったな。
エネルギーに溢れる街。
ここを歩き慣れた香港人は、香港は、つまらないよ、と言い、シンガポールのほうが、多様性があって面白いよと言うけれども。私には、香港は、まだ外国に感じられるし、新と旧が融合するごみごみした感じとか、言葉でうまく表わせないけど、街が発するエネルギーが、人間味があって、泥臭くて、魅力的だと思うんだけどな。
いつかこの熱から覚めるときがくるのかな。
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